子どもの頃の「想像力」を、どうやったら取り戻せるか。

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いつからだろうか、人前に立つのが怖くなってしまったのは?

私は幼稚園児のためのドラマクラスを持っているのですが、子どもに人前で何かをやらせると、その無邪気な発想に思わず笑ってしてしまったり、感心してしまうことがままあります。

当然子どもによって恥ずかしさの程度は変りますが、人前は恥ずかしいけど、見られてうれしいという気持ちがあるようです。

けれど、小学生になると途端に、周りを意識し始めるわけです。特に「9歳の壁」と言われる小学校3年生になると、自我の芽生えからか、人の前でやることに恐怖や不安を覚え、今までの無邪気さが途端になくなってしまします。

カルガリー大学などでインプロ(即興)を研究し、教育家としても知られているキース・ジョンストンは、「子どもうちは創造性があり、年月を経て徐々にそれを発揮できなくなる。」と考えました。

子どもの想像力は自然発生的に表現されるが、大人になるとその自然発生は社会的思考(social mind)によって抑制されてしまうのです。

常に自分が人にどう映ってみえているのかばかり気にするようになります。社会的思考は、様々な恐怖を引き起こし、自然に生まれていた自由な表現力が失われてしまうのです。

ここでいう恐怖の代表例としては、「失敗への恐怖」。結果ばかりを気にして、自分の能力が出せない。子どもの頃あれほど臆せずに人前で出来ていたことできなくなります。

「評価への恐怖」は、子どもの想像力を奪ってしまうものの一つでしょう。学校の時からの評価主義的な教育によって、正しいやり方、正しい答えばかりで、子どもは先生や周りの友人たちの視線ばかり気にしてしまいます。結果本来もっている自由な創造性は磨かれません。

中学校三年生に英語を教えていた時、その子は美術部で結構リアルだけど、かなりグロイ絵を描いていました。本人は見られるのは嫌がっていましたが、たまたまそれを僕が見つけて、何の気なしに「いいね、うまいね~!」と言うと、恥ずかしそうでしたが、とても嬉しそうに他の絵も次々に見せてくれました。確かに評価を二分する類の絵だけに、学校の先生は閉口してしまうでしょうが、しかし社会にでればこういった才能も認められるのも確かです。

恐怖の結果生まれるのが、頭の中の「検閲」であるとジョンストンは言いました。実際の行動の前に、あれこれと考え、せっかく自然発生的に生まれたアイディアをチェックしてしまうことです。「これをしたら怒られる」、「あれをしたら周りに変だと思われる」、「あれをしないと」、「これをやってあげないと」、いつも受け身で、ネガティブ思考になってしまい創造性にふたをしてしまうのです。

ではどうすればこの検閲を止めて、自由に創造性を羽ばたかせて、あの頃のように人前でも楽しくふるまえるのでしょか?

ジョンストンは、頑張らない、気を張ったり、良い恰好を見せようとせず、普通にやるといった考えでインプロに取り組むことで、検閲がいおさまり、本来の自然発生的な創造のプロセスが戻ってくるようになると考えました。

ジョンストンを研究している東京学芸大学、高尾先生の生徒さんのインプロWSを体験しましたが、特にプレッシャーや奇をてらった考えも持ってなかったのですが、参加者から各々個性が滲み出るような、面白いアイディアばかり披露され楽しい時間でした。

ジョンストンは他にもインプロやる意義や、インプロを行う上での考え方を説いています。

しかしインプロをやったら一朝一夕で、長年作ってきた検閲をおいそれとはなくすことことはできません。検閲も裏を返せば自己防衛本能、あってしかるべきもの。少々検閲が強すぎるんです。

では、かんばり過ぎている検閲システムを休ませて、眠っている創造性をインプロで起こしてあげましょう。

インプロを通しての小さな成功体験の積み重ねで、職場でも、もっと人前でも楽しく話ができるようになりますよ。

 

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18年間の俳優経歴とイギリス留学経験を活かして、大手塾の人気英語講師として活躍。イギリスでは、Trinity College London level 4 associate diploma in Speech and Dramaを取得し、マイケル・チェーホフメソッドの国際的な講師から指導を受ける。現在は俳優としての活動のほか、演劇を使った児童・学生・社会人のための能力開発や語学力向上のための講座を行っている。一般社団法人日本グローバル演劇教育協会のメンバーでもある。 クラスは、講師が一方的に話すのではなく、インターラクティブで活気がある雰囲気。その場だけ満足するStudy「学ぶ」ではなく、人生を変えるLearn「身につける」を体験型のクラスで実践している。参加者一人ひとりのどんな悩みでも聞き、ワークを使って解決、より楽しく前向きに仕事や生活ができるようにサポートしている。

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